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「命の水」再び

「命の水」再び

 2011年3月11日、東日本を大地震と津波が襲い、更には放射性物質が追い討ちをかけると言う恐ろしい事態になりました。真っ先に思ったのは、復旧復興にはとてもとても長い時間がかかると言う事。しかし人間と言うものは、良きにつけ悪しきにつけ、慣れてしまったり忘れてしまう生き物です。一年もすれば被災地以外の人々の意識から震災直後のような支援に対する思いは色あせてしまうだろうと思っていました。そうならないように何か出来る事はないだろうか……。そんな事を漠然と考えていたのです。

 震災から半年ほど経ち、夏も終わりにさしかかった頃、たまさかTwitterで歌手の石川智晶さんが酒を話題にしているツイートを目にしました。「同じ飲むなら東北のお酒を飲みたい」。そんなツイートを見てふとひらめいたのです。
 ご存知の方も多いと思いますが、米と水と気候に恵まれた東北には酒蔵が沢山あります。大好きな酒をキーワードにして、復旧復興を見守るような支援の仕方が出来ないものだろうか。酒は飲食業や宿泊業など関連する業種が色々あるし、肴も豊富な東北なら関連する話題も豊富にあるはずだと思ったのです。
 そのアイデアを戦国BASARAの酒合戦をプロデュースしている越田氏に持ちかけた所、何か出来るかも知れないと言う返事を頂きました。その後、協力してくださる酒蔵を取材に行き、これを書いている時点では何かイベントが出来ないかと可能性を模索しています。

 まずは酒を切り口にして東北の復旧復興を見守りたい。そして出来る事があれば具体的に動きたい。それが最終的には全国に広がって、一人でも多くの人や地域が元気になれれば良い。そんな思いから、再び「命の水」を始める事にしました。あまり肩ひじを張らずに感じた事などを自由に書き綴って行こうと思っています。
 ちなみにコーナータイトルになっている「UISGEBEATHA」は「ウシュクベーハ」と読むそうで、ウィスキーの語源と言われる古代ゲール語。意味は「命の水」だそうです。

2012年2月3日