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内ケ崎酒造店「特別純米酒 鳳陽 源氏」

特別純米酒 鳳陽 源氏

hoyo_01.jpg特別純米酒 鳳陽 源氏。BB&Rが認めた3銘柄の内の一つです。 東北酒蔵取材ツアー二日目は宮城県の観光スポット、松島からスタート。午前中に瑞巌寺を中心にちょいと観光し、宿泊した松島センチュリーホテルからタクシーを飛ばして向ったのは、宮城県黒川郡にある合資会社 内ケ崎酒造店さん。1661年(寛文元年)に創業して以来現在まで続く老舗の酒蔵さんです。

 山あいの静かな場所にある内ケ崎酒造店さんは入り口からして旧家の趣。一歩足を踏み入れると、まるでタイムスリップしたかのような空気感が漂っていました。事務所に行くと程なくして代表社員を名乗るの内ケ﨑研さんが出ていらっしゃいました。代表社員ですよ、粋ですねぇd(^-^)。一見朴訥な感じの方ですが、とても色々なお話を聞かせてくださいました。感謝(-人-)。

hoyo_02.jpg蔵をどうするかは色々難しい問題があるとか……。 内ケ﨑さんは「見たまんまで大して面白いものなどありませんよ」みたいな事を言いながら案内してくださいましたが(^_^;)、どうしてどうしてそんな事はありません。酒造りの工程こそ同じでも、こだわり方には蔵ごとに違いがハッキリと現れるもので、好きな者からしたらそれこそ興味津々なのです。まぁ恐らくは、日々真正面から取り組んでいらっしゃる方々からすれば当たり前過ぎて、興味を持っている人がいる事もあまりピンと来ないのかも知れませんね(^_^;)。
hoyo_03.jpg漆喰が崩落している所もありました。 内ケ﨑酒造店さんのある黒川郡の辺りは比較的地盤のしっかりした所だそうで、地盤の被害は少なかったものの、さすがにあれだけの大きな揺れに商品や建物への被害は免れなかったそうです。
 酒が醸される仕込み蔵は、漆喰の壁がたわんで崩れている所もあり、直すにしても色々と一筋縄では行かないと言うお話でした。また出荷を控えていた数千本単位の酒が冷蔵倉庫から飛び出したりしてダメになった事などをサラッとお話されていましたが、心中お察しするにさぞかし遣り切れなかった事だろうと思います。

hoyo_04.jpg内ケ﨑さんを石川智晶さんと囲んで記念撮影。ここでも赤ら顔の小生(^_^;)。 一通り施設を見せて頂いた後で、お決まりの如く(^_^;)何種類かの鳳陽を飲ませて頂きながらざっくばらんにお話をさせて頂きました。こちらの思いや考え方などもある程度ご理解頂けたかなと思います。お酒も然る事ながら、つまみに出して頂いた漬物がよく合って美味しゅうございましたね(*^_^*)。
 帰り際に、こちらでも「お土産」を頂きました。それが「特別純米酒 鳳陽 源氏」です。海外では「Shining Prince」の愛称で呼ばれているこのお酒は、2011年10月に英国王室御用達の高級ワイン店「BERRY BROTHERS & RUDD (BB&R)」が初めて取り扱う日本酒3銘柄の内の一本として選ばれたそうです。
 芳醇な香にきりりと引き締まった口当たりが「Prince」と言うイメージなのでしょうか。しっかりと飲みごたえがありながら後味のスッキリとしたお酒でした。実はこのお酒、輸出向けで国内では販売されていなかったそうですが、熱い要望を受けて2011年11月から国内販売を開始したそうです。世界が認めたお酒が日本で売られていなかったと言うのは、ちょっと意外でした。

人気酒造「人気一 大吟醸」

人気一 大吟醸

Ninkiichi_01.jpg人気一 大吟醸。ビンもラベルもオシャレ。 東北酒蔵取材ツアーでまず最初に伺ったのは、福島県二本松市にある人気酒造株式会社さん。東北新幹線で郡山駅に降り立つと社長の遊佐勇人さんがアルファロメオでお迎えしてくださいました。相当に車がお好きなのだなと思って車中でお話を伺ったら車だけじゃなくて、特撮やらナニやら色々と守備範囲が広いようで脱帽でしたね(^_^;)。

 車中では趣味の話ばかりしていた訳ではなくて、人気酒造さんの酒造りに対するポリシーを初めとして技術的なお話に至るまで色々と伺えました。やはり震災に関する話は身につまされるものがあって、出荷を控えていた醸造タンクが倒れたとか、放射性物質のせいで米の調達が難しくなったとか、再起を果たせていない同業者が居るとか、被災地全体でそれぞれ状況は違えど大変なご苦労があったようです。

Ninkiichi_04.jpg東京農業大学の先輩は醸造学科から王道を進まれた方でした。 取材協力を打診した当初は施設を見学させて頂いてお話を伺えれば御の字だと思っていたのです。なにしろ仕事をされている最中に伺う訳です。それも普通の状況ではなく、震災の傷跡も完全には癒えていない所へ伺う訳ですから。
 ところがなんと仕込みを手伝わせて頂けるというではありませんか(°o°)。応用微生物学を専攻していた身としては理屈や段取りは分かっていても実際の現場と言うものは知らない訳で、これはもう願ってもないチャンスだと思いました。ただしこちらは興味津々で良いかも知れないけれど、杜氏さん達からすれば素人が仕込みに関わるのは嫌なものだと思うのです。それもまた意外にも皆さんとても優しく接してくださいました。本当に感謝感謝です(-人-)。
 そうそう、余談なのですがお一人大学の先輩がいらっしゃいまして、お願いしてツーショットを撮らせて頂きましたよ(^_^;)。

Ninkiichi_03.jpg遊佐社長を囲んで石川智晶さんと。小生が持っている食べる酒粕は酒のお供にピッタリ。 取材を終えて色々と飲ませて頂いたのですが、遊佐社長から「お土産に差し上げますよ。どれが良いですか?」と聞かれて、一緒に取材に行った石川智晶さんと小生が物凄い勢いで指さした(^_^;)のがこの「人気一 大吟醸」でした。
Ninkiichi_02.jpgビンのフタがとても懐かしげでオシャレ。 舌にまとわり付くようなまろやかな口当たりと豊かな香。喉越しも良く、後味も実にスッキリとしていて非の打ち所がないバランス。古典落語でちょいちょい出てくる言い回しに「するすると酒の方から入ってくる」なんて言うのがありますが、正にそんな感じ。上品でとても優しい印象のお酒。さすがに2008年国際味覚品質機構優秀味覚賞2009年〜2011年モンドセレクション最高金賞を受賞のは伊達じゃありませんね。ビンもラベルも洒落ていてとても素敵な一本ですd(^-^)。

 ちなみにこの日仕込んでいたのは発泡性の日本酒だそうで、フォーミュラ・ニッポンでシャンパンの代わりに供されたタイプのお酒になるとの事。どんな仕上がりになるのかとても楽しみです(*^_^*)。